初心者WEBマーケター必見!よく出る 「マーケティング指標」用語解説
WEBマーケターとしての一歩を踏み出したばかりの方、もしくはこれから挑戦したいという方の中には、「専門用語が多すぎで、本やYoutubeを見てもさっぱり内容が入ってこない……」と悩んでいる方も少なくないはず……。
今回はそんな方達のために、この記事ではWEBマーケティングを始めるなら最初に知っておくべき、効果測定でよく使われる「指標」の用語解説をします。
この記事を読んで、それら用語の意味を理解できれば、マーケティングの全体像を捉え理解のスピードがアップすると思います。
ぜひ最後までお読み下さい。
前提
まず前提としてマーケティングの目的は「お客さまの方から、その商品・サービスを売ってください」と言わせること。
その目的を達成するために、お客さまの行動・態度の変容を分解し、その要素ごとに指標を設け、評価→改善を図るのが一般的です。
顧客の行動を分解する切り口はいろいろとありますが、僕の場合は顧客の行動フローを以下の5つに分けて考えることが多いです。
「認知」>「理解」>「興味」>「共感」>「行動」
この形で行動分解するのには次の意味があります。
- 「認知」しなければ「理解」することはない
- 「理解」しなければ「興味」を持つことはない
- 「興味」がなければ「共感」もしない
- 「共感」がなければ「行動」もしない
だから、マーケティングでは、以下のように各要素の達成度合いを定量的に評価して、問題点を洗い出し改善策を練るのです。
- 必要な「認知」を得られたか?
- 期待どおりの「理解」が得られたか?
- どれくらい「興味」を惹きつけることができたか?
- それらによってユーザーはどれくらい「行動」をしたのか?
このことから、今回は顧客行動を分解した上記の「要素」別にグルーピングして、それぞれの達成度合いを測るための指標を解説していくことにします。
「認知」の度合いを測る指標
リーチ(Reach)
広告が配信された人数を指します。
リーチは広告が届いた人の数を指すので、表示された回数は問いません。
広告が表示された回数が1回でも3回でもリーチは1とカウントします。
リーチを見る時に注意すべき点は、広告が到達したからといって、そのユーザーが広告に気づいているかはこの数字だけは測れないという点です。
インプレッション(Impression)
広告が表示された回数を指します。
リーチは広告が届いた人数をカウントしますが、インプレッションはそれらの人に対して広告が表示された総数をカウントします。
インプレッションを評価する上で重要な点は、1人にユーザーに対して、同じ広告を何回表示させることが適切かを判断することです。
同じ人に何度も同じ訴求の広告を表示することで、認知してもらいやすくはなるでしょう。
ですが、同じ人に何度も何度も同じ広告を配信しても、興味をもってもらえなければ無駄打ちになってしまう側面もあります。
そのため、1ユーザーあたりの表示回数(インプレッション/リーチ)も注視しておくと良いでしょう。
「興味」の度合いを測る指標
エンゲージメント (Engagement)
一般的には婚約や約束など、人同士の結びつきを表す言葉ですが、デジタルマーケティングにおいては、ユーザーが広告に対してなにかしらの反応を示した数を意味することが多いです。
(クリックや動画視聴、いいね、コメントなどが含まれます)
クリック数
エンゲージメントの一部になりますが、広告がクリックされた回数を指します。
CTR(クリック率)
CTRはClick Through Rateの略で、広告が表示された回数に対して、クリックされた割合を指します。
日本語ではクリック率と表現されます。
いわば広告を見た人の興味度合いを測る重要な指標です。
CTRは以下の計算式で求めることができます。
CTR=クリック数/表示回数 x 100
エンゲージメントもクリックも、表示された広告に気づいて興味を持った証になるので、データの活用方法も含めて覚えておきましょう。
「共感」「行動」の度合いを測る指標
コンバージョン数(CV)
コンバージョン数は広告の目的が達成された回数を指します。
略してCVと記載されることも多いです。
どんなアクションをコンバージョンと定義するかは、商材や戦略によって変わります。
例として3つのパターンを挙げてみます。
<1>ECサイトで売上増を目的とした広告の場合
取り扱い商品の「購入回数」をコンバージョンと定義する。
<2>新規顧客数を増やしたい場合
「新規会員登録数」をコンバージョンと定義する。
<3>BtoB(企業向け)のサービスの場合
Webフォームからの「問い合わせ件数」や「資料請求数」などをコンバージョンと定義する。
このようにケースバイケースでコンバージョンの定義を変え、目標達成への最適な戦略を立てていきます。
CVR
CVRはConversion Rateの略でコンバージョンの発生率のことを指します。
このCVRは算出するための項目をケースバイケースで変えることがあります。
例えば、クリックされた回数に対してコンバージョンした回数の率を求める場合もあれば、広告がリーチした人数に対してのコンバージョンの率を求める場合もあります。
これは広告がクリックされた動線の先にコンバージョンポイントが存在するかどうかで決めることが多いです。
例えば広告がクリックされた先に、WEBサイトのお問い合わせフォームがあり、コンバージョンポイントがお問い合わせフォームの送信である場合は
CVR=コンバージョン数 / クリック数
の計算式を用いることが多いです。
一方、現在のWEB広告では表示された広告から電話をしたり広告側で用意されたフォーム、メッセージ送信などがコンバージョンとして定義されることもあるため、そういったケースにおいては
CVR=コンバージョン数 / リーチ数
の計算式が用いられることもあります。
CPA
CPAは「Cost per Action」の略で、1つのCVを獲得するために要したコストのことを指します。
広告の効果検証では最も重要視される指標。
CPAは以下の計算式で導くことができます。
CPA= 消費コスト/コンバージョン数
適正なCPAっていくらなの?という質問をよくいただきます。これも商材や戦略によっていろいろな考え方ができます。
CPAの考え方として重要なのは、コンバージョンを獲得するためのコストが、得られる利益を上回らないこと。
例えば、1万円の利益を得るために、1万2千円のコストを使っていたら言うまでもなく赤字ですよね。
このことから僕がCPAの目標値を定義する時は、以下のような方法で算出しています。
CPA目標の設定例
ECサイトの新規会員を獲得する場合:
顧客1人が生み出す生涯利益(LTV)を算出し、それを下回るCPAを目標にする。
ECサイトの購入を促す場合:
顧客の平均購入単価を算出し、CPAがその営業利益を超えない値を目標とする。
このようにCPA<利益となることを意識して設定しましょう。
その他よく使われる用語
CPC
CPCは「Cost per Click」の略で1回広告がクリックされることで発生するコストを指します。
「クリック単価」と呼ばれることもあります。
WEB広告は1ヶ月単位など一定期間配信を行い、全体の数値を見て効果測定をすることがほとんど。
ですのでCPCは効果測定の際に一定期間の平均値(平均クリック単価)として用いられることが多くあります。
また、Google広告は1回のクリックの費用がGoogle広告側のアルゴリズムによって決められます。
広告の運用担当者はCPCを自由に決めるのではなく、1回のクリックで許容できる最大のクリック単価を指定します。
LTV
LTVとはLife Time Value(ライフタイムバリュー)の略で日本語では「顧客生涯価値」と表現されます。
端的に言うと、1人の顧客がもらたす利益(売上)の総額です。
LTVの構成要素は主に以下のとおり。
- 顧客単価
- 購入回数
- 顧客である期間
- 利益率
LTVは上記の要素を用いて下記の計算式で求められます。
LTV = 顧客単価x 購入回数(年間)x顧客である期間x利益率
まとめ
今回はWEBマーケティングを始めるなら知っておくべき、効果測定でよく使われる基本用語の解説をしていきましたがいかがだったでしょうか?
マーケティングの基本的なポイントは得られた結果の原因を分解して、各要素ごとに定量的に評価することで、ボトルネックを洗い出すことにあります。
ここで紹介した基本用語はそれらを評価するための指標の名前がほとんどです。
これらの用語を覚えておくと、マーケティング施策の結果に対する説明がわかりやすくなりますし、論理的な思考のもとで話ができるようになるメリットがあります。
ここ数年でDX化が進み、デジタルマーケティングへの需要が高まっていて、マーケティングに携わる人も増えてくると思います。
この記事が少しでもそんな方々の参考になれば幸いです。
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