海外転職をめざすならベトナムがかなり面白い
2020年9月現在、コロナウィルスの影響で海外を自由に行き来するのが、大変難しい状況ですが、コロナ収束後に海外就職を目指している人もいらっしゃるかと思います。
現在私は約2年半ほど、ベトナムの日系企業で働いていますが、ベトナムで働くこととの魅力やメリットと、その逆の注意点やデメリットをお伝えします。
海外転職をご検討されている方のお役に立てれば幸いです。
ベトナムで働く魅力とは?
ベトナムはここ5年ほどは毎年6-7%前後のGDP成長率を誇る、経済成長著しい国の一つです。
2020年はコロナの影響もあり世界経済が全体的に落ち込む中でも2020年のGDP成長率の予測は2.8%と言われています。
2020年9月中旬以降は、国際線も段階的に運行が再開され、再び多くの日系企業が進出を再開するようになるでしょう。
経済成長著しい国で、日系企業の進出が増加する状況は、海外転職を目指す日本人にとっては大きなチャンスとしか言いようがありません。
特に進出してまもない企業は、事業推進や現地の人材をマネジメントする役割を果たす日本人を求めているので、取り組む仕事内容も自分の力でマーケットを切り開いていくような、アドベンチャー感あふれる役割を求めていることが多いです。
日本の企業で、ガチガチにレールを敷かれた中で、息苦しく毎日の業務をこなしている人にとっては、会社のルールの策定から取り組む事業開発的な仕事はとても魅力的に感じるのではないでしょうか?
またベトナムは現地採用での募集枠も多く、海外転職のハードルは他の国々と比較してもかなり入りやすいと思います。
仕事の選択肢が多く、経験が浅くても他業界に参入しやすい
たくさん日本企業が進出しているということは、ベトナムで転職先を探す際の選択肢が豊富ということになります。
現在ベトナムには2000社ほどの日系企業が進出していて、毎年600〜700社ほどが新規参入しています。
主に製造業や小売・流通、コンサル業、IT業などの産業が多く、企業側の人材の需要が大きいため、業界未経験であっても、これまでに似たような仕事の経験があれば採用されるチャンスも十分にあります。
例えば、製造業や流通業であれば、一定の営業経験があれば法人営業として、経理や総務経験があれば、工場の生産管理などの仕事に就く可能性もあります。
私の会社はWeb制作などを行うIT企業でプロジェクトマネジメント人材を募集していましたが、スキルがぴったりあった候補者にはなかなかタイミングよく出会うのが難しく、Web制作経験のないIT機器の法人営業経験者を採用し、OJTで育てた経験があります。
ベトナムで働いている人の傾向をざっと肌感覚で見ると、
- 工場の生産管理
- 法人営業
- IT関係(プロジェクトマネージャー)
の仕事に就いている人が多い印象です。
生活費が安く、現地採用でもお金がたまる
ベトナムの生活費は日本の3分の1程度で暮らせると思います。(もちろん各個人の生活スタイルによりますが)
私の場合は、毎月12−14万円くらいで生活しています。
ざっくりとして内訳をお話しすると、家賃が約7万円くらい、月々の生活費が5-7万円くらいといったところです。
ホーチミンでは、一人くらしのお部屋であれば5万円以内でも十分な綺麗さと広さのある賃貸物件もたくさんあります。
家賃を抑えれば10万円以内で生活することも可能だと思います。
一方で、ベトナムの現地採用は給与水準が低いイメージをお持ちの方も少なくないと思います。
ベトナム現地に拠点を置く人材エージェントの募集サイトをみても月1,500USD程度での応募もよく見かけます。
ただここ最近は採用活動をしていても、少しずつ給与の水準は上がってきている感はあり、20代中後半の方を1,000USD代で採用するのが難しくなってきています。
つまり、ある程度の経験があれば月2,000USD程度の交渉は可能だと思います。
額面で2,000USDの月給があれば手取りはおおよそ1,600USD(約17万円)程度になるので、毎月10万円ちょっとを生活費として使ったとしても6〜7万円くらいは貯金にまわせますね。
もちろん十分な経験・キャリアを以って、上位役職を狙えば月4,000USDや5,000USDの案件もそこそこあります。
ちなみに、ベトナムの日系企業はうまく回れば1年で大きく売上成長させることもできますし、事業の損益分岐点が日本よりも低いケースが多く、自分の力で事業成長をさせられれば日本ではあまり考えられないスピードで給与がアップしていくというチャンスもあります。(ITなど無形物を扱うビジネスの方がその機会が多い気がします)
実際に私は、これまでのところ年平均150万円以上のペースで貯金できています。
自分で起業するビジョンが見えてくる (マネジメント目線が養える)
ベトナムで仕事をするとなると、必ず現地のローカルスタッフ達と連携して仕事を進めることになります。
日本人は役職的に、ベトナム人スタッフの採用や評価、人員配置、P/L管理などに関わることも多く、組織マネジメントのスキルが上がります。
また、自分で顧客を獲得したり、売り上げを伸ばす施策を0ベースで考える機会も多いので、高い意識で数年仕事に取り組めば、必然的に自分で独立して仕事をするビジョンが見えてくることもあると思います。
実際に、はじめは駐在員として現地法人代表と務めていたけど、数年後に会社を辞め、そのままベトナムで企業された日本人の方もいらっしゃいます。
注意点
ここまでベトナム転職の良い面ばかりを書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。
専門知識は身に付かない
現時点で日本企業がベトナム進出する目的の多くは、コスト削減です。
日本の技術やノウハウを、人件費のやすいベトナムに持って行って生産することでコストメリットを享受しています。
技術だけではなく、組織管理に対する考え方や、業務効率化のノウハウなどは日本の方が進んでいるケースがほとんどだと思います。
そんな中で、ベトナムでの仕事で最先端の技術を学んだり、新しい業務効率を受動的に学ぶことは、かなり難しいと言ってもよいでしょう。
新しい技術やノウハウは自力で能動的に情報を求めて勉強していくしかないと思います。
言い方は悪いですが、ベトナム人から仕事の専門スキルやノウハウを学ぶ機会は正直少ないと思います。
マネジメントのスキルを上げるチャンスは大きいけど、プレイヤーとしてのナレッジは自力で勉強して身につける。
これがベトナムで働く上で認識しておくべき一番大きなポイントかもしれません。
潔癖症の方にはお勧めしない
これは生活面のお話になりますが、ベトナムは成長著しいとはいえ、成長途上の国のため衛生環境が良いとは言えません。
例えはトイレ。新しくできたカフェやレストラン、オフィスビルなどは、なんら抵抗なく使用できますが、デパートやスーパーマーケットのトイレでは、綺麗につかうという概念がないのか、酷く汚れていて、とても使う気になれないこともしばしばあります。
ましては、古いやてものやローカルレストランなどのトイレなどはかなりきついものがあるでしょう。
東南アジアの新興国に旅行に来たことのある方であればこの感覚はよくわかると思いますが、東南アジア慣れしていない潔癖性の方にはちょっと衛生面できつい面があるかもしれません。
仕事上の人間関係は結構ストレス
ベトナムで働く日本人は、ホーチミンとハノイにそれぞれ1万人程度いると言われています。
その中には超エリート駐在員もいれば、あまりビジネスリテラシの高くない方もいらっしゃいます。
冒頭でベトナムで働くハードルは高くないと書きましたが、その分個々のビジネススキルも様々です。
現地で様々な方達と仕事で関わると、ここに持つ常識の違いからうまくお互いに納得のいくコミュニケーションがとれないこともしばしばあります。
このあたりは日本でも同じかもしれませんが、特に異業界の方々と仕事で関わる際は、最初の段階で認識のすり合わせなどを注意深く行なっていく必要があるなとしみじみ感じています。
まとめ
今回は海外就職を目指す方々のためにベトナム就職の面白さと注意点を書きましたがいかがだったでしょうか?
ベトナム就職を本気でお考えなら、一度海外案件に強い転職エージェントに相談するか、ベトナム現地にある日系の転職エージェントに相談するのがオススメです。
エージェントへの相談にお金はかかりませんし、コンサルタントから現地企業の人材ニーズなどが聞けるので将来のビジョンが見えてくる可能性があります。
実際に僕はベトナム転職の際に5社くらいのエージェントといろいろお話をする中で現地の有益な情報を得ていました。
海外転職に強い転職エージェントのまとめ記事も紹介しておきますので、こちらもぜひ参考にしてみて下さい。
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